2007年9月27日木曜日

 

「トルコの旅 歴史と生きる人と街」を読む

この本を読み始めてから、トルコの歴史の大まかな流れがやっと、把握でき始めた。大きく4つに分けることができる。①ギリシャの支配下だった時代、②ビザンチン帝国だった時代、③オスマン帝国だった時代、④共和国になってから。実際に歩いて訪れながら書いてあるので、自分もその場所にいるような臨場感を味わうことができた。同時に歴史的なことの説明、他国との文化的な共通点、作者独自の歴史観などが入る。物事の全体が把握してあるような書きぶりに、作者の矢野純一さんという方は、よくトルコ1ヶ月の滞在でこれだけのことを、感じ書けるなあと思った。矢野さんの中で物事がこなれ理解できてあるので、読んでいてこちらも、理解の助けになる。この本は、場所の絞り方も、私にはちょうど興味のあるところだった。イスタンブール、アンカラ、ボアズキョイ、カッパドキア、エフェソスなどを訪れている。また、感性が自分と似ているなというところもあって、共感がもてた。例えば、{トプカプ宮殿で私がいちばんびっくりしたのは86カラットのダイヤモンドとか、宝石だらけの「トプ・カプ短剣」ではなく、小窓のついた銀の手の中に収められた、「洗者ヨハネの手」であったり、「洗者ヨハネの後頭の骨」であった。}というところ。私にも、そちらのほうが興味深かった。ガイド本のように、短剣がすばらしいと書いてないようなところが、この本のおもしろいところだと思う。

トルコの旅 歴史と生きる人と街  NTT出版 写真=田沼 武能 文=矢野純一

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